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アドバンテックのスケーラブルエッジアクセラレータサーバを使用した、放送品質のライブビデオストリームの提供

2024/02/19

プロジェクト背景

あなたが毎年何百時間ものコンテンツを制作している大手放送局の一員だと想像してみてください。ニュースの生中継やスポーツ・イベントへの絶え間ない需要には、高解像度の映像と音声をほぼゼロ遅延で伝送する必要があります。コンテンツの制作から配信そして消費の流れは技術の進歩によって一変しました。放送局側としては、固定機能デバイスを使用するリニアなワークフローから、ライブストリーミングと配信に対応した柔軟なソフトウェア定義システムへと移行しています。

しかし、膨大な量のネットワークトラフィックはもちろんのこと、画質やファイルサイズも増加の一途をたどっているため、映像制作環境ではエッジ側での処理に AI アクセラレーションや推論技術を活用する必要が発生します。クラウドコンピューティング・サーバなどの従来のインフラは、大規模で電力を消費します。最大限のパフォーマンスを発揮するよう設計されたサーバには、温度管理された埃のない環境向けに構築され、スペースと電力資源が豊富な大規模データセンターに大量に配備されています。

対照的に、エッジコンピューティングはデータソースにできるだけ近い場所で実行されます。エッジデバイスは、設置スペースや電力が制限されがちな環境である、都心部のオフィスやその都市の電波塔に設置することができます。放送局にとって、コンテンツ制作のためのエッジソリューションは、アクションの中で動作するように構築されなければなりません。エッジベースのワークフローでは、最小の電力と最小の設置面積で、放送品質の 4K/UHD ライブ・ビデオ・リンクをリモート・プロダクション・ラックから中央配信ハブへ提供することに重点が置かれます。

システム要件

ソフトウェアベースのトランスコーディングなら高性能CPU で十分ですが、ハードウェアベースのトランスコーディングにはグラフィックカードを組み込む能力が求められます。GPU を搭載することで複数の高解像度ストリームのエンコード、デコード、エンドツーエンドのトランスコードを同時に高速化し、全体的な電力効率を高めることができます。メディアサーバにとってもう一つ重要となるのはストレージです。放送業界ではメディアメタデータがすぐに数百ギガバイトに達してしまうからです。ストリーミング用のソフトウェアとメディアメタデータとを別のドライブに格納することで、サーバデータ、メディアライブラリへ容易にアクセスできるようになります。

サーバやビデオエンコーディングデバイスの設置に一般的に使用される機器ラックの奥行きはわずか 600mm であるため、奥行きの短いハードウェアが必要不可欠です。モバイル・アプリケーションでは、1対1の電源共有冗長 PSU オプションが、さらなる実用性と展開の柔軟性を提供します。もう1つの重要なシステム要件は、高温動作への対応です。密閉されたスペースでは一般的に換気が悪く、システムを冷却するための空気の流れ制限されるため、周囲温度が上昇します。このため、エッジベースのサーバ機器は、高温な現場環境での動作に耐える必要があります。

システム構成図

Deliver Broadcast- Quality Live Video Streams with Advantech’s Scalable Edge Accelerator Servers

ASMB-610V3 + VEGA-3318 Transcode Test Performance

  * DDR5 は、前世代の DDR4 と比較して最大2倍の有効帯域幅を提供し、コアあたりの帯域幅の不足を解消します。

システム内容

HPC-6120+ASMB-610V3 は、番組制作・送出の環境全体にわたって展開できる放送会社向けの1U サーバです。マザーボードには第12/13 世代のIntel® Core™ プロセッサを搭載し、エッジ側で求められる負荷に対応するための高い性能、コア、メモリを備えています。

シャーシの奥行きは 18 インチで、Micron Technology 社との協業により、最大 128GB DDR5 メモリ(スループット最大5600MT/s)に対応した DIMM ソケットを4つ、PCIeを4つ、SATA3を4つ、GbE LANを4つ、専用 IPMI NICポートを1つ搭載しています。メインのロープロファイル・ライザースロットには高速 NIC カードを搭載でき、拡張性と高度なセキュリティ、そして高速ネットワーキングを実現します。さらに、2つのフルハイト拡張スロットは、1のダブルスタックまたは2つのシングルスタック GPU カードに対応し、特定の使用要件に応じた柔軟な構成も可能です。この柔軟性により、企業は設置や AI アクセラレーションをカスタマイズし、スペースが限られた現場環境でもコンピューティング集約型のパフォーマンスを実現することができます。

さらに、HPC-6120+ASMB-610V3 エッジサーバは、50°C/122°F という高い動作温度でも問題なく使用できます。それにもかかわらず、このソリューションは、ネットワークエッジ側での大容量データ処理を簡単にするための冷却を促進するアドバンテックの革新的な熱管理システムを搭載しています。また、サーバは、データを損なうことなくコンテンツを様々なフォーマットに変換するための堅牢な通信プロトコル、メディア処理ツール、そしてセキュリティイノベーションのセットに対応しています。

全体として、HPC-6120+ASMB-610V3 は、AI アクセラレーション・ビデオ・アプリケーションに対応した統合ソリューションを提供し、サードパーティのデータセンターへの導入、パブリック・クラウド・サービスでの実行、そして顧客の選択によるあらゆる構成が実現できます。

効果・メリット

  • W680 チップセット搭載 LGA 1700 第 12/13 世代インテル® Core™ i9/i7/i5/i3 プロセッサ
  • 18 インチのショートデプスシャーシを採用したことで、スペース効率を高め 600mm ラックに格納可能。
  • 追加統合オプションでマルチチャネル 4K/UHD ワークフローにも対応。
  • Amazon や Azure などのビデオストリーミングや編集プラットフォームに接続可能
  • オプション GPU カード、高速 NIC カードも統合できる柔軟な I/O。
  • 4つの GbE ネットワークポートを標準装備(NICカードを追加することなく、制御とデータ伝送のデュアルチャネルを実現)。
  • フルハイト 10.5 インチカードに対応する PCIe x16 スロット 1 個、または PCIe x8 スロット 2 個を装備。
  • 最大 128GB の Micron 製 DDR5 DRAM モジュールをサポートする4 DIMM ソケット4つ
  • オンボード M.2 2280/22110 (SATA/PCIe 互換)1基 [ Micron の M.2 2280 SSD と互換性あり]。

アドバンテックが選ばれる理由

アドバンテックは、ライブプロダクションや放送アプリケーションに適した低消費電力、高性能のビデオキャプチャおよびエンコーディング・アクセラレータを提供しています。産業用コンピューティングソリューションのリーディングプロバイダとして30年以上の歴史を持つアドバンテックは、複雑な使用要件を満たすスケーラブルで将来性のあるソリューションを提供するための技術的専門知識、製造能力、カスタマイズサポート、ポートフォリオ範囲を持っています。

アドバンテックは、アフターセールス技術サポートに加え、5年間の延長製品保証と10年間のライフサイクル保証を提供しています。これにより、メンテナンスとアップグレードのコストを最小限に抑えながら、導入効率と ROI (投資効果)を最大限に活かします。さらに、アドバンテックの製品は、ほぼすべての国際規格に対応済みであるため、開発およびテスト段階を大幅に短縮し、市場投入までの時間を短縮することができます。


産業指数(IQ)パートナー:Micron Technology

micron

マイクロン社は、革新的なメモリおよびストレージ・ソリューションの業界リーダーであり、世界のあらゆる人々の生活を豊かにするための情報活用方法を変革しています。マイクロン社は、顧客およびテクノロジーのリーダーシップ、そして優れた製造と運用を常に重視しており、Micron® および Crucial® ブランドを通じて、高性能 DRAM、NAND、NOR メモリおよびストレージ製品の豊富なポートフォリオを提供しています。 同社の従業員が生み出すイノベーションは日々、データエコノミーを促進し、人工知能と 5G アプリケーションの進歩を実現させ、データセンターからインテリジェント エッジ、そしてクライアントとモバイル ユーザー エクスペリエンス全体にわたってチャンスを解き放ちます。 マイクロン・テクノロジー社(Nasdaq: MU)公式サイト ⇒ https://jp.micron.com/