車載や屋外用途専用に設計された産業アプリケーションは、独自の要件を持ちます。高温または低温、熱衝撃、高湿度、電磁妨害などの過酷な環境条件が原因で、こうした独自仕様が必要となります。通常、システム障害には非常に多くの費用がかかるため、あらゆる条件において安定動作するよう、全てのシステムは最高の障害耐性を持つ必要があります。広範囲の温度試験を行うことで、過酷な動作環境下におけるシステムの信頼性が保証されます。
インテリジェントソフトウェアの API と熱保護ユーティリティ
僻地の発電所や、システム障害や過熱の際に自動警報が管理者に通報を行う場所などの無人環境においては、ほとんどの場合は堅牢なシステムが用いられます。アドバンテックはソフトウェアの API に加え、堅牢な熱保護、省電力、ハードウェア監視のためのユーティリティを提供します。
SUSI と統合されたアドバンテックの API を用いることで、開発者は特定のチップセットやドライバーアーキテクチャの仕様を理解せずとも、ハードウェア制御のアプリケーションを記述可能です。
-
節電 API
- 顧客は CPU SpeedStep とシステムスロットル用 API を用いてユーティリティを作成可能です
- 過酷な環境における消費電力を削減します
- 実装
注意
- 節電 API は対象のプロジェクト毎に機能します
- 節電 API は CPU SpeedStep およびシステムスロットルをサポートする特定のインテル社製プロセッサにより駆動されます
-
ハードウェア監視 API
- ハードウェア監視 API は冷却ファンの速度、温度、電圧など、特定の条件インデックスを監視するシステム異常検出用 API です。
- システム温度、冷却ファン、電圧をリアルタイムで監視し、重要な温度アラームの警報を鳴らします。
実装
- システム温度と電圧を監視します
- API を通じ、お客様は機能をアプリケーションに統合してアラーム値と関連アクションを設定することが可能になります
-
監視ユーティリティ
アドバンテックの監視ユーティリティはシステム温度、冷却ファン、電圧のリアルタイム監視を行い、同時にウォッチドッグタイマーとカスタムアラームの設定を可能にします。
注意
アドバンテックの監視ユーティリティはウィンドウズ XP 用に設計されています。他の OS でのサポートはご要望に応じて承ります。
産業グレード部品を用いた設計
広範囲の動作温度を持つコンピューターを製造する上で最も手っ取り早い方法は、広範囲の動作温度を持つ部品を採用することです。広範囲の動作温度を持つ部品、ハードウェア、レイアウトを手軽を配置して実装するために、設計者には堅牢なアプリケーション要件を満たせる部品の一覧が必要です。そのため、アドバンテックは CPU、チップセット、クロック発振器、スーパー I/O、電源パックを含む重要な産業グレード部品を選ぶための広範囲温度設計データベースを作成しました。これにより、長期間にわたって安定したシステム動作が保障可能になります。このデータベースは標準温度の製品を広温度範囲の製品に転換する上で、非常に役に立ちます。
拡張温度試験(ETT)ソリューション
アドバンテックのフェニックス動作試験は、長時間にわたって温度が様々に動的変化するバーンインサイクルを含む、様々な環境条件下でシステムと部品の性能を評価します。システム要件に応じて、設計対象はフェニックス・ゴールドパッケージ(-20~80 ℃)あるいはプラチナム・パッケージ(-40~85 ℃)試験を、機能を損失することなく通過しなければなりません。この厳格な試験プロセスを通じて、過酷で急な変化を伴う温度条件における基幹アプリケーションが安定した性能を発揮できることが保障されます。
- アドバンテックの設計検証用フェニックス試験プロセスにおいては、組込み SBC は 100% 負荷条件におけるダイナミックな PassMark バーンイン試験と電源オン/オフ試験を通過しなければなりません。
- 製造検証の段階では、組込み SBC は出荷前にフェニックス動作基板として完全な認定を受けなければなりません。
フェニックスの試験プロセス
広温度サイクルチャンバー
- 可変温度設定(-40~85 ℃)
- プロフィールのカスタム化(バーンイン試験、QA Plus またはカスタムソフトウェアの実行)