MyAdvantechに登録

「MyAdvantech」はアドバンテックのお客様のための専用ポータルサイトです。メンバーに登録されたお客様には新製品、オンラインセミナー、eStoreでのディスカウントなどの情報を配信いたします。

メンバーに今すぐ登録!

果物の品質評価システム導入事例(エッジAI推論システム「AIR-101」)

2021/04/12
article-pic

イントロダクション

私たちが普段スーパーなどで買う果物や野菜は、農家から収穫・洗浄・梱包され、そして指定されたコールドチェーンのロジスティクスを通じて、各店舗へと運ばれています。それぞれの価格については、品質状態の検査によって定められますが、かつてこうした品質評価は、目視で行われ、重量・色・サイズ・外観を基準に定められていましたが、時間や労力、さらに人件費などのコストがかかっており、問題点として、目視の判断が必ずしも100%一貫しているとは限りません。検査員の目視には、主観的な判断基準を持っており、実際の品質と評価にギャップが生じてしまう可能性があります。

AIの技術発展に伴い、従来から行われていた目視検査やルールベースのAOI(自動光学検査)装置を用いた検査は、ビッグデータやディープラーニングアルゴリズムを活用するAI、そして、ニューラルネットワークモデルを用いることで選別精度・効率を大幅に向上させることができます。アドバンテックのエッジAI推論システム(AIR-101)は、非常に安定した推論演算機能を実現することに成功し、搭載された2x Intel® Movidius™ Myriad™ X VPUと複数のI/Oで、高い互換性を誇ります。さらに、軽量・低消費電力・DINレールによる設置などの特長から、産業環境下で安定した動作を実現しました。

要件

今回当製品を採用していただいたのは、果物や野菜の加工の際に用いられる、選別・包装機を取り扱うメーカー企業でした。 プロセスとして、果物がグレーディングマシンへ送られると、IPカメラでスキャンされ、設定したAIモデルに従い外観・サイズ・色などの条件から品質評価を行います。AIモデルに該当しない果物は、欠陥商品としてラインから除外され、高品質のものだけを評価していました。当初、AI推論システム内にFPGAを使用しており、演算にFPGAのリソースを多く用いていました。そのため、品質評価精度があまり高くなく、コストも大幅に発生していました。

しかし、アドバンテックのAI推論システム(AIR-101)を採用し、FPGAをVPUビジョンプロセッサに変更しました。高度な演算能力・複数I/O・優れた信頼性・DINレールによる簡単設計機能により、より高精度な品質評価を実現することに成功したのです。

アドバンテックのAI推論システム(AIR-101)で、検査効率を大幅UP!!

アドバンテックのAI推論システム(AIR-101)は、Intel® Atom® x7-E3940CPUクアッドコアプロセッサー・2x Intel® Movidius™ Myriad™ X VPUを搭載しており、高性能な演算・分析を実現します。また、合計4x USB3.0ポート・2x LANポートを搭載しているので、最大4台のカメラに接続することが可能です。

果物がベルトコンベア上のカメラを通過すると、AIR-101へ画像が送信され、外観・色・サイズ・形状・表面の損傷などの特性をリアルタイムで分析し、分析結果に基づき、品質評価を行います。また、欠陥のある果物には特別なラベルをつけ画面に表示されることで、担当者に注意を促します。また、豊富なI/Oで、計量センサー・コードスキャナー・自動プリンターなど、あらゆるデバイス装置にも接続することができます。 2x 4K HDMIでディスプレイ画面に接続することもできるため、オンサイト管理に便利です。また、IntelのOpenVINO™ツールキットを標準添付したソフトウェアパッケージ「Edge AI Suite」に対応しています。Caffe・TensorFlow・ONNXなどの主流AIフレームワークをサポートしており、AIモデルをAIR-101内に簡単に展開できます。AIR-101では、CPU/VPU/GPU内の温度やワークロード係数といった、リアルタイムでのデバイス情報も確認することができるため、開発・展開フェーズにかかる時間を大幅に節約することができます。

アドバンテックだから、高い信頼性・高品質な保証。

AIR-101は、強力な演算機能に加え、信頼性と高品質な保証を特長としています。ファンレス設計なので、防塵機能を費用とする生産ライン要件を満たし、より安定した動作を保証します。また、DINレール設計を採用しているため、設置と品質評価装置への統合を簡単に行えます。果物の選別の場合、Intel® CPUとVPUを組み合わせることで、高度な選別精度・効率の要件を満たしていることに気づきました。

アドバンテックは、AI加速モジュールである「VEGA-300シリーズ」とAI推論システム「AIRシリーズ」を提案しました。どちらもEdge AI Suiteがプリインストールされているので、顧客と開発者は、開発環境やアプリケーション要件に応じて、当社のエッジAIソリューションを迅速かつ簡単に開発・展開することができます。