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エアコンプレッサー製造業者、 IoTエッジテクノロジーを応用したサービスモデルを展開

2020/07/21
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イントロダクション

エアコンプレッサーは、製造業者の中で、製造過程における力学的エネルギーを転換させる主要ソースとして盛んに使われており、重量物持ち上げ、運搬、タイヤ空気充填、ダスト除去、塗装、コーティング、真空包装、切断、縫製など、数多くの業界やアプリケーションに採用されています。そうしたコンプレッサーが突然故障してしまうと、中断期間が発生し、製造ラインコストに多大な影響をもたらします。アドバンテックはエアコンプレッサー製造業者であるSWAN社と協同することで、同社製品にソリューションを提案しました。

エアコンプレッサー業界では、大手数社が自社製品の初期設計にインテリジェンス採用を積極的に取り組んでいます。機器接続、通信、データ転送を行えるようにすることで、運転ステータスや性能パラメータを自動的にオペレータへ報告し、必要に応じてメンテナンスエンジニアへ警告を通知し、故障を迅速に修理、さらには次の故障を事前に防止できるようにしています。

台湾を拠点とした老舗エアコンプレッサー製造業者であるSWAN社は、コンプレッサー業界で最も採用されているロータリースクリューコンプレッサーやレシプロコンプレッサーにリモートデータモニタリング機能を搭載させるIoTソリューション開発に向け、アドバンテックへ支援要請を求めました。

機械データは収集され、インテリジェント・エッジ・サーバーとクラウドプラットフォームに送信されて、運転中のコンプレッサーの性能パターンについて分析されます。これにより、ユーザーやメンテナンスサービスプロバイダーは、温度、圧力、空気量だけでなく、モーターやベルト、ベアリング、オイルセパレーター、エアフィルターといったエアフィルター常時確認することが可能となりますモニタリングシステムは問題に関する警告を送り、故障が発生した場合にはメンテナンスエンジニアへ現地訪問するよう通知します。コンプレッサー製造業者のクラウドサービスもアラートを発行し、コンポーネント寿命前までに特定ユーザーへと通知します。

アプリケーション要件

このプロジェクトのソリューションでは、配備されたエアコンプレッサーからデータを取得する方法を構築する必要があり、リモートモニタリングためにリアルタイムでデータを分析、視覚化する必要もありました。また、ビッグデータ解析のために履歴データベースも構築しなくてはなりませんでした。さらに、警告、アラート、通知を電子メールやメッセージを介して送信してほしいとの顧客要望があり、ユーザーがコンポーネントの保証期間や寿命期限をカウントダウン方式で事前に通知してほしいという要望も含まれていました。

その結果、効果的なデータ収集や解析を実行するため、エッジコンピューターをユーザーの作業場で展開することになりました。取得したデータをクラウドプラットフォームへと送信し、製造業者やローカルサービスプロバイダーが自身のエアコンプレッサーの状態を追跡し続けることができるようになりました。クラウドサービスはオプション機能であったため、必要に応じてクラウドサービスを介したデータのアップロードを行わない、という選択も可能でした。

ロータリースクリューコンプレッサーは本来のデジタルコントローラーを搭載した、より進化したエアコンプレッサーで、シリアルラインを使用するか、ワイヤレスでエッジコンピュータをコントローラーに接続してデータを取得できます。より伝統的なタイプのレシプロコンプレッサーについては機械内にコントローラーが内蔵されていないため、アドオンのデータ取得モジュールを採用することで、メーター、スイッチ、センサーと接続して動作データを取得、その後Modbusやインターネット、ワイヤレスコミュニケーションを介した分析を行うため、エッジ・インテリジェンス・コンピュータに送信する必要がありました。

ソリューション

アドバンテックのEIS-D210 エッジ・インテリジェンス・サーバーはIntel Celeron N3350プロセッサー上で稼働する、小型でコンパクトながら大きな処理能力を備えたコンピューターです。コンパクトであるため、本来のコンプレッサー設計を変更することなく、ロータリースクリューコンプレッサーの機械内に収まります。EIS-D210にはWiFiモジュールが内蔵され、コンプレッサーの制御ユニットと簡単に接続でき、動作データを取得できます。

WiFi接続モジュールに加え、 EIS-D210 にはシリアルCOMポートもあり、シリアルラインを介してエッジ・サーバーやコンプレッサーコントローラーに簡単に接続できます。さらにシリアルCOMポートは電力メーターと接続して使用でき、電圧や電流、電力、KW、KWHといったデータ数値を取得してエネルギー解析や省エネに向けた効率アップが図れます。

最も重要なのは、個々のEIS-D210 に、アドバンテックのIoTデバイス・オペレーションであるWISE-PaaS/DeviceOn 管理プラットフォームがあらかじめインストールされていることです。こうしたIoTゲートウェイ能力を備えたエッジ・サーバーによって、現場で使用されているあらゆる種類の通信言語を標準IoTプロトコルへ変換することができます。このようなIoTエッジコンピューティング機能により、業界の多様なシーン、アプリケーション環境で簡単に、また迅速に展開できるようになるのです。

また、WISE-PaaS/DeviceOn では、システム設計者に複数のAPIを提示することで、データの視覚化、結果の分析、カスタマイズしたメッセージの送信などを含むアプリケーション機能を簡単に開発することができます。クロスプラットフォーム機能によって、電子メールやLINEといったアプリケーションとリンクすることができ、ユーザーはデバイスでいつでもどこでも機械ステータスを追跡し続けることができるようになります。

WISE-PaaS/DevviceOnを利用したエア・コンプレッサー・ダッシュボード

利点

  • 強力な接続、データ取得機能で、迅速にIoT展開、現場データをバックエンドへと統合支援。
  • インストール済IoTソフトウェアプラットフォームで、複数のAPIをカスタマイズ可能なダッシュボードやメッセージを開発し、クロスプラットフォームデータアプリケーションへ統合可能。
  • コンパクトなフォームファクター、優れた処理能力で、エッジサーバーをロータリースクリューコンプレッサー内に組込み、コントローラユニットと直接接続可能。
  • SWAN社エアコンプレッサーへIndustry 4.0を導入することで、予防的メンテナンスを実現。これにより、自社製品への付加価値を高め、突然の機械不具合を最小限に抑え、メンテナンスエンジニアの現地訪問を減少。業界、企業へ変革をもたらすことに。