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アドバンテックとAmita Technologies Inc.、スマートな蓄電システムの協同開発に成功(EISシリーズ)

2021/03/08
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台湾のバッテリーメーカーであるアミタテクノロジーズ(Amita Technologies Inc.)とアドバンテックは、「バッテリー関連ハードウェア」と「IoTオープン・クラウド・ソフトウェアの開発」というそれぞれの強みを生かし、スマートな「蓄電システム」を協同開発することに成功しました。このシステムを用いれば、グローバル製造業界に向けたグリーンエネルギーを管理して省エネルギーを実現することが可能です。

台湾のバッテリーメーカーであるアミタテクノロジーズは、管理者が電力消費量を効率的に計算できる最先端の「蓄電システム」を持つ工場を、桃園市に所有しています。このシステムは、管理者が工場の電力消費量を効果的に計算できるようにすることを目的とした一連のスマートエネルギー貯蔵アプリケーションを使用しています。 これらの計算を使用して、管理者は省エネを目的とした電力使用戦略を開発できます。 アドバンテックのスマートIoTソリューションを利用するこの電力貯蔵システムおよび電力管理システムは、世界中の製造企業の環境保全やサステナブルな取り組みを促進します。

工場向けのスマート蓄電システムの導入障壁を軽減  
アミタテクノロジーズは、2000年の設立以来、リチウム電池技術の研究開発に取り組み、バッテリーセル開発分野で18年の経験を誇ります。さらに、バッテリー製造における競争力を高めるためバッテリーモジュールや蓄電システムを開発しており、数々のアプリケーション分野や国々で電力蓄電システムの導入拡大に成功しています。

アミタテクノロジーズのプロダクトマネージャーであるHou-qi Chen氏は、「工場でのスマートな電力管理要件を満たすため、アミタテクノロジーズにはクラウドプラットフォームとソフトウェア開発を行うパートナーを探していました」と述べています。そして、「中でも、アドバンテックが持つオープンIoTクラウドプラットフォームや、産業用アプリケーション・ソフトウェアは、機能性が非常に革新的で、パートナーとして自然な選択となりました」と述べます。アミタテクノロジーズは、アドバンテックと協力してアドバンテックのWISE-PaaS DeviceOn/iEdge I.Appを搭載したEIS(Edge Intelligence Server)を自社の蓄電システムに統合することで、工場内でのスマートなエネルギー管理システムを実現しました。

またHou-qi Chen氏は、次の点を付け加えます。「エネルギー貯蔵システムの実装の過程で、アミタテクノロジーズは、工場ごとにIT環境が異なることを発見しました。 蓄電システムの導入が困難なのは、この理由によるものです。この点において、アドバンテックのEISシリーズ製品は、Modbusや OPC, さらにはMQTTなどの幅広いコミュニケーション・プロトコルに対応しており、実装がとても容易でした。」  同様に、DeviceOn/iEdgeは、AWSやMicrosoft Azureなどのプライベート&パブリッククラウドのアーキテクチャにも対応しているため、オープンアーキテクチャのEISを素早く統合することができ、工場向けのスマートエネルギー蓄電システムの導入の障害を大きく削減します。

視覚化されたUIで簡単管理・消費電力削減に成功
さまざまな工場でのスマートエネルギー蓄電システムの適用を検討したアミタテクノロジーズのシステムインテグレーションエンジニアWei-zhe Ding氏は、次のように述べています。「従来の蓄電システムでは、充電・放電時の電圧・電流・電力などの複雑な数値を理解しなければなりませんでした。こうした数値を解読し、電力消費量を包括的に理解することはとても困難ですが、アドバンテックのDeviceOn/iEdgeはこうした問題に対処することができる非常に便利なアプリケーションです。このアプリケーションを使用することで、遠隔でリアルタイムに電力消費量を監視・解析できるようになったため、高度な管理を実現することができたのです」。

DeviceOn/iEdge内のODBCプラグインを使用して、蓄電システムの消費量データをグラフ表示させることが可能です。また、DeviceOn/iEdgeのGET/SET APIを利用すれば、データや設定パラメーターも入手することができます。現在では、工場の電力管理者は、ピーク時/オフピーク時の電力使用量を完全に把握できるようになりました。さらに、契約で設定された電力制限を越えないように、営業時間外に充電を行うなど、電力会社のサービス契約に合わせたカスタマイズを行うこともできます。こうした取り組みにより、電力消費量を削減・節約することができ、このシステムを導入後、アミタテクノロジーズの桃園工場では、電力コストを前年比15~20%も削減することに成功しました。政府が関連法規を承認すれば、自社システムから台湾電力会社に余剰電力を販売することができるようになり、新たなグリーンエネルギーの機会を創出できるようになります。

アドバンテックとのコラボレーションを通じてグローバルマーケットを拡大

しかし、電力価格が比較的低い台湾では、製造業での蓄電システム導入を奨励していません。この問題に対処するため、アミタテクノロジーズは今後、自社のシステムをグローバル展開していく予定です。Wei-zhe Ding氏は次のように述べています。「アドバンテックのグローバル流通ネットワークやDFSIパートナーと、アミタテクノロジーズの蓄電システムの開拓・育成とを組み合わせることで、今後、海外での幅広いアプリケーション分野で、蓄電システムが採用されやすくなってゆくでしょう」。

また、Wei-zhe Ding氏はこのように強調します。「工場向けの大型システムから、商業・家庭用の中小型システムまで、蓄電システムにはさまざまなものがあります。アミタテクノロジーズは、将来を見据えて他の製品群においてもアドバンテックと緊密に連携を図りながら、より革新的な戦略を生み出してゆきます」。