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アドバンテックの管理コンピュータによる北京国際空港エネルギー管理システムをシームレスに接続(中国)

2020/10/09

プロジェクト概要

空港で乗客に清潔で明るく快適な環境を提供するために必要な長期的エネルギー消費量には驚かされます。ヨーロッパの研究によると通常、民間の空港で消費されるエネルギー量は、小さな町のエネルギー量に匹敵することがわかっています。このエネルギーのかなりの割合が、不適切な制御と管理のために浪費されています。このため、世界中の多くの空港では、省エネ・環境保護対策を採用し、手動検査に頼った従来の管理モデルに代わる自動化システムを導入することが求められています。より先進的な空港では、インテリジェントなオペレーション&メンテナンス(O&M)プラットフォームを採用し、現在では自動化された制御システムを使用して、不必要な無駄を防ぎ、監視と制御の効率を向上させ、全体的なエネルギー消費量を削減しています。

空港のエネルギーと機器のための相互接続されたインテリジェントO&Mプラットフォームのセットには、多くのサブシステムと多様な機器や計測器が含まれております。機器から取得したO&Mデータは、中央管理システムに統合する前に、データゲートウェイで特定の通信プロトコル形式から変換されなければなりません。このように、データゲートウェイの性能と安定性は、システム全体の効率性と信頼性を決定します。アドバンテックの電力・エネルギー通信管理コンピュータ:『ECU-4553』は、シームレスな接続を実現するための、この重要なタスクに非常に適しております。このゲートウェイはIEC 61850-3規格に準拠しており、パワー&オートメーションアプリケーション向けに特別に設計されています。その優れた性能により、システムソフトウェアがその機能をフルに活用することができます。また、このデバイスは数種類のフィールドサイト機器に接続できる多くのポートも提供できます。また、最適な干渉防止機能により、過酷な条件下でもシステムの安定性と操作性を確保しております。

プロジェクト要件

北京大興国際空港は、年間1億人の旅客を受け入れるように設計されており、2019年9月に開業されました。同空港は大規模な国際航空ハブ空港として位置づけられており、中国におけるグリーン空港の新たなパラダイムの設定を目指しており、当初の設計時には省エネと環境保護の計画が盛り込まれていました。担当したSlerの企業は、26の変電所、60の変圧器、9つのバックアップ発電設備、258の電気室のための無人エネルギー・機器O&Mプラットフォームの構築を任命されました。このプラットフォームは、空調、照明、給水、暖房、エレベータ、その他エネルギー消費量の多い機器や関連する計装機器を総合的に監視できるよう設計されました。

空港内におけるエネルギー消費情報のインベントリを含むデータを収集するゲートウェイとして、各電気室にコンピュータが設置されました。このデータは、エネルギー消費量を削減するための相互接続メカニズムが実装される前に、潜在的なエネルギー削減の分析に使用されました。ゲートウェイは、統合されたO&Mプラットフォームにアップロードする前に、様々な通信プロトコルからのデータを国際標準規格であるIEC 61850-9形式へと変換します。

本件のプロジェクトに携わるコンピュータやゲートウェイ等の関連機器には、以下の基準を満たす必要がありました。

  • 大量のデータ処理に十分な演算能力を持つ高性能・高安定性の産業用コンピュータ。
  • IEC 61850-3規格に準拠した信号分離および反干渉ハードウェア設計。
  • 瞬時に制御できるリアルタイムOS「RT-Linux」の採用。
  • 広い動作温度範囲と優れた耐干渉性能による過酷な環境下でも安定した動作を実現。
  • 複数の最下層機器との接続やデータ転送に対応した複数のRS-485/232シリアルポートとネットワークポートを搭載。

プロジェクト詳細

北京大興国際空港には258もの電気室があり、各電気室にはデータゲートウェイとしてアドバンテックの『ECU-4553』が搭載されます。このユニットが選ばれたのは、上位層の管理システムに、下位層にある多数かつ多種多様な機器を接続できるからです。また、『ECU-4553』に搭載されたシリアルポートは、高速データ変換を可能にしながら、小規模リレー、高電圧/低電圧電力計装、オンサイトI/Oデバイス、オンサイトコントローラなどへの接続性を提供します。このデータは、イーサネットスイッチを介してコントロールセンターの管理システムに転送されます。

また、『ECU-4553』を介して現場機器に制御指令を出すことも可能です。例えば、フライト情報から所定の地域の乗客数を予測し、乗客数の少ない地域では空調制御を行うことができます。また、変圧器から一時的に停電が発生したことを示す異常事態をシステム側が受信した場合には、監視センターから遠隔でバックアップ発電機を起動させることができます。

TI Cortex A8プロセッサを内蔵したこの『ECU-4553』は、上記で前述した要件であるIEC 61850規格に準拠した高性能な産業用通信管理コンピュータです。リアルタイム通信を容易にし、エネルギー消費監視システムの精度と効率を向上させるRT-Linuxオペレーティングシステムを搭載しております。動作温度範囲が-40~70℃と広いため、極端な低温や高温による起動不良やクラッシュなどの問題も防止します。電磁両立性(EMC)の観点からも、この『ECU-4553』はIEC 61850-3のハードウェア規格および規制に準拠しています。他の機器やデバイスの動作に影響を与えることなく、外部からの電磁干渉にも耐えることができます。また、干渉の原因となる電気・電子機器が存在する環境に設置しても、安定した動作を維持できます。

シームレスな接続性を実現するため、『ECU-4553』は4つのLANポートと16個のRS-232/485シリアルポートを備え、異なるプロトコル(IEC-60870-5-104、IEC-60870-5-101、Modbus/RTU、Modbus/TCPなど)を使用する機器へと簡単に接続できるため、本件のプロジェクトの接続要件を満たしつつ、将来的なシステム拡張の余地も確保できるよう対応されております。

システム構成図

アドバンテックが選ばれた理由と結論

エネルギー消費量が多いという問題を克服するために、現代のIoT時代での新空港では、省エネや環境保護に向けたシステム管理対策を採用する必要があります。データゲートウェイは、スマートなエネルギー消費量監視システムの中核的な役割を担う「コアコンポーネント」になります。そのデータゲートウェイが省エネや環境保護に対し、期待に応えられるか否かの問題は、取り扱うデバイス機器が長期的な性能、安定性、および耐久性を提供できるかどうかに依存します。昨年(2019年9月)の開港に向けて、北京大興国際空港への設置が採用されたアドバンテックのエッジ通信ゲートウェイ:『ECU-4553』は、単に電力やエネルギーアプリケーション向けに設計された機器ではなく、電磁環境適合性、ハードウェア信頼性、ソフトウェア/ハードウェア互換性に対して2年間の厳しいテストにも合格しております。そのため、担当したSlerの企業や北京大興国際空港からも高い評価を得ております。スマートエネルギー管理システムの開発を得意とする同Sler社は、今後も中国国内の新空港や既存空港の改修にアドバンテックの:『ECU-4553』を採用していく予定です。また、その他の大規模な公共施設や商業施設、スマートシティ等のエネルギー消費量の多い環境下でも『ECU-4553』を活用し、運用コストの削減と管理効率の最適化を実現する、エネルギー消費管理システムを構築していく予定です。