MyAdvantechに登録

「MyAdvantech」はアドバンテックのお客様のための専用ポータルサイトです。メンバーに登録されたお客様には新製品、オンラインセミナー、eStoreでのディスカウントなどの情報を配信いたします。

メンバーに今すぐ登録!

エアコンプレッサー製造業者のTong Cheng社、WISE-Paasクラウドプラットフォーム上のインテリジェントソリューション導入

2020/08/19
article-pic

エアコンプレッサーは空気を圧縮させることで、力学的エネルギーを加圧ガスへと変換させる機械です。産業用途として広く使用されており、重要な電力源でもあります。しかし、これまでのエアコンプレッサーは現場で放置される傾向にあり、実際の稼働・アイドリングの状況やエネルギー消費レベル、温度、圧力、ガス使用量などのデータは概ね、考慮されることがありませんでした。いったん故障が発生すると、製造ラインはシャットダウンされ、結果として製造に多大な影響を及ぼします。また従来のシステムではパーツ交換などについて早期に警告を出すこともなく、予防的メンテナンスを効果的に行うことはできませんでした。

Tong Cheng Iron Works Co., Ltd.(以下Tong Cheng社)は台湾の台中市にあるエアコンプレッサーの老舗製造業者です。60年以上にわたり、SWANというブランド名で世界中にエアコンプレッサー製品を販売してきました。モノのインターネット(IoT)やIndustry 4.0、ファクトリー・オートメーションを目指し、また顧客からの高まる需要に応えて、Tong Cheng社は産業の変革を緊急に行う必要性を認識しています。このため、最先端のインテリジェントソリューションを開発し、業界で主体的な役割を果たしてゆきたいとし、アドバンテックと協同しました。IoTの力を活用したエアコンプレッサーは今やリモートでモニタリングされています。さらにアドバンテックは予防的パーツ交換という画期的なサービス・モデルを可能にする支援を行いました。結果、Tong Cheng社のもつ競争力を大きく向上させただけでなく、Industry 4.0の利便性や利点を広く知らしめる結果となりました。

Video Thumbnail
2:19

クラウドデータ管理を一元管理化:新たなビジネスチャンス、サービス開拓へ

Tong Cheng社のシニアマーケティングマネージャーであるGeorge Lin氏は、「データ収集こそがエアコンプレッサー開発における最初の重要なステップである」と考えていました。同社はこれまでエアコンプレッサーのエアコンプレッサーに影響を与えてきた管理というボトルネックを、IoTテクノロジーという観点から打破しようと考えていました。まず、エアコンプレッサーの、温度や圧力の異常、使用率、エネルギー消費量といった動作ステータスに簡単にアクセス可能となることが必要でした。

次に、ベルトやベアリング、オイルフィルター(エレメント)といった、エアコンプレッサーの消耗パーツは定期的に交換が必要でした。しかし、定期メンテナンスや修理を怠るユーザーが多く、エアコンプレッサーシステム内のコンポーネントが故障した場合には工場のガス供給が甚大な被害を受ける可能性がありました。そこで、デジタル管理を通じ、スマートシステムでスペアパーツの寿命をあらかじめ通知することで、予防的メンテナンスという、より効果的なシステムが可能になりました。これによって、工場の製造力が改善され、エアコンプレッサーを長寿命化されることができました。機械が故障した場合でも、ユーザーは電子メールやLINEなどのコミュニケーションツールを介して頻繁に通知を受けるようになりました。携帯電話などのモバイルデバイスでこうした機械のステータスにアクセスし、素早くレスポンスを得ることができるようになったのです。

アドバンテックのIoT推進やWISE-PaaS強化ソフトウェア、ハードウェアがもたらす統合ソリューションにおける数多くの成功事例や、パートナーシップで実現する良好な結果を求めて、2017年、Tong Cheng社はアドバンテックと研究開発への投資を正式に開始しました。採用したソフトウェア、ハードウェアのソリューションには、コントローラーフリーのレシプロエアコンプレッサーからデータを引き出すために使用する外部ADAM-6050 DIモジュールが含まれていました。デジタルコントローラーはすでに組込まれていたため、必要となったのは、ハイエンドなTong Cheng社スクリューエアコンプレッサー用にRS485を通じて動作データをキャプチャするための信号ラインのみでした。デバイスはアドバンテックのEIS-D210エッジ・インテリジェント・サーバーに接続され、データがアドバンテックのWISE-PaaS インダストリアルIoTクラウドプラットフォームにアップロードされ、有線・無線のネットワークを通じてデータ収集、管理、分析が行われました。
エアコンプレッサーはアドバンテックエッジ・インテリジェント・サーバーのEIS-D210に接続され、データはアドバンテックのWISE-PaaS インダストリアルIoTクラウドプラットフォームにアップロードされ、有線・無線ネットワークを通じてデータの収集・管理・分析が行われました。その後、エアコンプレッサーのデータを端末スクリーンに視覚化、表示させるため、WISE-PaaS/Dashboardのクラウドダッシュボードツールが使用されました。


アドバンテックの台湾業務部(Taiwan Business Department)でプロジェクトのスーパーバイザーを務めるSammy Hsu氏は、「Tong Cheng社が提示した実際のアプリケーションに基づき、ダッシュボードの全体的な使用感を改善し、効果的なイベント通知(例:リアルタイムエラー通知、消耗パーツ交換通知)、クエリ機能を構築できた」といいます。これはシステム全体にとって重要であるということがわかり、一連の専用モニタリングシステムを安全に構築する助けとなりました。

2019年の初め、2社が協同して製品開発を行い、4月初旬に開催されたハノーバーメッセに出展した製品が、市場から熱狂的な反響を得ました。ダッシュボード型のディスプレイを使用し、個々のエアコンプレッサーについて瞬時に、周囲温度、圧力、電力消費、使用率、予防的メンテナンス、履歴データの保管詳細といった瞬間ステータスにいつでもリモートでアクセスできるというものでした。

George Lin氏は、「データの収集や蓄積を行うことで、エアコンプレッサーの動作効率を格段に向上させることができ、さらに追跡がしやすくなることで機械的な不具合が起こった際でも問題を迅速に特定できるようになる」と指摘します。エアコンプレッサーはエネルギー消費の大きな製品であることから、アドバンテックとTong Cheng社との協同は、同社にとって計り知れないほどの価値であることが証明されました。リアルタイムな電力ステータスと最適化された効率的な設計とを組み合わせることで、Tong Cheng社はエネルギー効率を30%大幅に改善することに成功したのです。

パーツ交換を通知するシステムにより、代理店は顧客とのメンテナンス契約に自信をもって署名できるようになりました。その結果、代理店は一度に複数の顧客に対し地域的なサービスを行えるようになったのです。これによって、稼働効率が上がっただけでなく、顧客満足度も上がりました。Tong Cheng社は、現在、台湾主要工場のエアコンプレッサー室内に、リンクされたリモートモニタリングシステムを4台配備し、ライブデモンストレーションを行っています。さらに、海外支店においてもデモンストレーションやプロモーション目的で工場への機械配備を計画中です。

George Lin氏は、「アドバンテックとTong Cheng社が開発したソリューションは、エアコンプレッサー業界の未来を象徴するものである」と強調しています。実際に、大手製造業者からの最近の引き合いに、上述したようなモニタリング機能を仕様内に含めたいという要望が多く寄せられています。アドバンテックの簡単な組込みプロセス、高度なシステム信頼があれば、Tong Cheng社と協同開発したシステムを使用することで、エアコンプレッサーアップグレードを簡単に行うことができます。このようにアドバンテックは、Industry 4.0を活用し、エアコンプレッサー業界における確固たる競争力、稼働効率を高めています。

Edge-to-Cloud AIoT Architecture to Enable Real AIoT-Powered Cloud Business Models

IoT Software Online Business Channel to Buy, Deploy, and Customize Industrial Software Needs