産業用コンピュータ、IoTデバイスの分野において世界トップシェアのアドバンテック(本社:台湾 2395.TW)は、第11世代Coreプロセッサ搭載 COM Express「SOM-5883」を発表しました。
大容量のデータや画像を処理するために、最大128GBの DDR4-3200をサポート。高容量、高速技術により画期的なコンピューティングとグラフィックパフォーマンスを発揮します。さらに、PCIe Gen4(16GT/s)、USB3.2 Gen2(10Gbps)、2.5G BASE-T(有線LAN)などの高速I/Oインターフェースを多数搭載し、システムの拡張性を高めています。また、オプションでNVMe SSD、TPM 2.0、-40~85℃の拡張動作温度、8.5~20Vの電源入力機能に対応しており、エッジコンピューティングの要件に適した信頼性の高いソリューションです。
8コア/16スレッド対応の第11世代インテルCPUとQFCS技術
「SOM-5883」はハイパフォーマンスを実現していますが、優れた電力設計のおかげで前世代と同じTDP 45Wを維持しているため、既存のモジュール(システム)からの代替に柔軟に対応できます。また、アドバンテック独自の産業機器向けサーマルソリューションであるQFCS(Quadra flow cooling system)を採用することで、薄くて、軽くて、静かで、さらに剛性があり、かつCPUの性能を100%発揮させることができる製品を実現しました。
次世代I/Oインターフェイス
「SOM-5883」は、COM Express Type 6モジュールとして初めて PCIe x16 Gen4を搭載し、その帯域幅は前世代比較で2倍の16GT/sとなり、31.5GB/sのスループットを実現しています。この機能により、超音波診断装置などのグラフィックを駆使したアプリケーションは、より正確な診断結果を得ることができます。また、オンボードのグラフィックスエンジンとFPGA、GPUボード、AIアクセラレータモジュールなどとの組み合わせに適しているほか、広帯域の2.5G LANとNVMe SSD搭載により、AI x IoTアプリケーション間で大量のデータを転送するための超高速データ転送を実現します。
TSN(Time Sensitive Networking)を搭載した2.5G LANは、低遅延を必要とするオートメーション分野やエッジアプリケーションに最適なソリューションです。この技術により、リアルタイムトラフィックの要求は満たされ、重要なデータが通信プロセスで優先されます。また、スリムなUSB Type-C コネクタで Display Port 、Thunderbolt 、USB 3.2、およびUSB 2.0として利用可能なUSB4もサポートしています。さらにアドバンテックは、お客様が新しいI/O技術の導入を加速できるよう、USB4のリファレンスデザイン・ドキュメントと開発用ボード(SOM-MZ10)を提供します。
エッジコンピューティングのための信頼性の高い設計と容易な管理
アドバンテックは、信頼性の高いハードウェアを提供するだけでなく、BIOSによるストレージの保護・セキュアブート・電源管理、Linux BSPサポート、WISE-DeviceOnによる遠隔監視やOTA(over-the-air)などソフトウェアサービスもお客様に提供します。
第11世代Coreプロセッサ搭載 COM Express
SOM-5883主な機能
- COM Express R 3.0 Basic Type6 モジュール
- 第11世代 Intel® Xeon、Core™ i7/i5/i3/Celeron™ プロセッサ搭載
- DDR4 最大128GB、3200MT/s、ECCサポート
- 3 x DDI、LVDS/eDP、またはVGAを搭載。4つの独立表示出力に対応
- 1 x PCIe x16 Gen 4、8 x PCIe Gen 3、4 x USB 3.2 Gen 2、2.5G LAN(TSN対応)、2 x SATA3
- アドバンテックの「iManager」、「Edge AI Suite」、「WISE-DeviceOn」をサポート
- 動作温度 標準:0~60℃、拡張:-40~85℃