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タイでのフリート管理事例(車載ファンレスシステム、ARK-2250V)

2020/11/30
タイの首都であるバンコクは、経済や交通の中心地であり、国内の有数企業が数多くあります。1980年代における急速な経済成長の結果、首都内の自動車や人口は劇的に増加しましたが、こうしたバンコクに拠点を構える企業にとって、フリート管理(社用車の運行・管理を行うこと)をいかに効率的に行い、交通渋滞による時間のロスを解消するかという問題にいつも頭を悩ませていました。ここでは、アドバンテックの支援を受けて、AI駆動のスマートバスフリート管理システムを導入し、シャトルバスの交通安全性を向上させ、バスフリートのコストを抑制した事例をご紹介します。

要件

こうした問題を抱えていたのが、4000人以上の従業員を誇る、某タイ企業でした。この企業では、バンやバスをはじめとする社用車がオフィスや工場、サービスセンター間を毎年約8000回移動しているので、こうした社用車やドライバーを管理するには、多くの時間と労力がかかってしまい、頭を悩ませていました。 そこで、シャトルバスの使用率を最大化させるため、AIによる顔認識とビデオとデータ分析を組み合わせたシステムを必要としていました。最良のソリューションを模索していましたが、タイでの過酷な環境下では、電源管理やリモート診断、ドライバーからの破壊行為、ソフトウェアのカスタマイズ、将来的なシステム拡張などの数多くのアプリケーション課題に対処できるタイのメーカー企業はありませんでした。

ソリューション

そこで、アドバンテックが、この企業へ車載ファンレスシステム「ARK-2250V」を提案しました。このARK-2250Vは、その高性能な演算能力(Intel i7-6822EQ QC / Intel i5-6442EQ QC を搭載)、高い堅牢性、広範囲な動作温度(-40 ~ 85° C)、幅広い拡張設計を特長としています。このシステムでは、電源管理やIPカメラ設置のため、不要な配線を無くす「PoE接続機能」や、イグニッションや電力サージによって発生する電圧降下を防ぐ「電源遅延機能」を特長としています。さらに、データを取得するため、WiFiスポットやCAN Busといった追加モジュールを搭載できる「拡張機能」で、車両のメンテナンスを前もってスケジューリングできるだけでなく、燃料の盗難なども検出することができます。また、AIを用いたドライバー認証や、注意散漫などを検出する「並列処理機能」は、ドライバーの動作から疲労具合を検出します。第6世代Intel® Core™ i7 CPU、HD Graphics GPUによるパワフルな性能で、IPカメラからのリアルタイムでビデオストリーミング処理することができます。また、電話の使用や、注意散漫、疲労、スピード違反などの異常な動作を識別し、コントロールセンターへ迅速に通知することが可能です。

アドバンテックは、組込み業界での豊富な知識や、システム統合コンサルティング、コントロールソフトウェアを開発するのに役立つソフトウェアソリューション、Wise-DeviceOnを独自に開発しました。このソフトウェアによって、様々なプロセスを省き、システム全体を短時間で提供することができました。ARK-2250V は、このWise-DeviceOnソフトウェアを搭載しており、デバイス状態の監視・診断・修理、さらにシステムの再起動をリモートで行うことができるようになりました。   

今後、アドバンテックは、ARK-2250Vへ最新VPU搭載のエッジAI加速モジュール、「VEGA-300」を統合していく予定です。これにより、消費電力が大幅に削減され、こうしたエッジ環境でのAI処理速度を加速させることで、運転を安全に、そして効率的に行い、他タスクにCPUリソースを割り当てることができます。詳しい情報につきましては、是非アドバンテックまでお問い合わせください。

ARK-2250V

  • Intel i7-6822EQ QC / Intel i5-6442EQ QC 搭載
  • 幅広い拡張機能(積み重ね可能な拡張設計、オプションでアプリケーション用の拡張キット)
  • E-Mark認証で12~24V電源入力をサポート
  • 車載パワーイグニッションマネジメント 
  • IoTデバイス管理ソフトウェア、WISE-DeviceOnを搭載